新しき邂逅

これは、偶然なのだろうか、あるいはまた、必然というものなのだろうか、とても運命的な出遭いの素晴らしさを、久々に、体験して、年甲斐もなく、感激してしまった・・・。
輪島からやはり、路線バスで、山越えの門前行に乗った。門前は、今は輪島市に合併されたが、曹洞宗の大本山、総持寺のある門前町である。14世紀、行基建立の密教系寺院、総持寺、とても著名だ、一度は拝見したいと考えていた、併せて、この日のお昼は、山門近くにある手仕事屋という蕎麦屋にしようと考えての、門前行である。
蕎麦は旨かった、しかし、それ以上に、興奮したのが、置かれていた「能登」という雑誌だった。最初に書いた10数年前の能登とゆかりあるのかと、思って、雑誌発行者に電話したら、全く別物だった、ページをめくっていて、眼を引いたのが、連載「大波小波」。深澤君の娘の名前から、波には縁があるが、きっと、人生の大波小波を乗り越えて、母は信楽の陶芸家に、娘は、写真家になった、母と子のモノガタリ、創刊以来連載している「中 乃波木フォトエッセー」、文体も、母と子の高校時代の手紙のやりとりも、胸にジーンと浸みて、このアトリエに訪ねてみたくなった。
時計を見た、2時過ぎだ、飛行機の出発は4時半過ぎ、アトリエは旧柳田村、タクシーを飛ばせば、訪問は可能だ、問題はアトリエに陶芸家や写真家はいるのか、電話した、陶芸家が出てくれた、感動した、すぐに車を頼んで、向かった、相当走った、運転手も、一時迷った、でも、着いた!嬉しかった!細い山道の、奥の、木々の茂みの中に、アトリエはあった、「陶房 眠兎(トウボウミント)」
作家・十七波(となみ)さんが、優しく迎えてくれました。わずか、数分の訪問でしたが、一個だけ、一輪挿しを戴くことができて、感動しました。大事にします。そして、私も始まった23個の一輪挿しのために、参考にします。
能登さとやま空港の展望室で、一杯の冷酒を戴きながら、大波小波を改めて、読み返し、アトリエを思い切って訪ねて良かったと、思いました。
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そして、5日、自宅に戻り、しばらくぶりで、パソコンを開き、フェイスブックを開けました。「娘はやってるようです、フェイスブック」と言ってましたので、検索して、解ったのは、なんと、前の日に、深澤君の環波神社で撮影していた、公式カメラマンさんが、エッセーを書く写真家、中乃波木(なか のはぎ)さん本人ではないですか!
私は深澤君のすぐわきに居たのですが、彼と彼女は、神社の鳥居に海水がかかる、満潮の日程を調べている、そんな会話の最中でした。
「今度、その瞬間を狙います」そういう公式カメラマン嬢の、爽やかな、美しき表情と、言葉に、私は、まるでその場に、神代の天女が舞い降りたのか、そんな感動の中にいました・・・。